コラム
2025/06/14

美容室経営における「理想的な自己資本比率」とは? 美容室の財務

前回のブログでは、自己資本比率とは何か? について解説しました。
「自己資本比率は高いほうが経営が安定する」という話をしましたが、では 理想的な自己資本比率は何%なのか? という疑問が出てきますよね。

今回は、美容室経営における自己資本比率の目安や、改善のためのポイント について解説していきます!


理想的な自己資本比率は何%?

自己資本比率は、業界によって理想的な数値が異なります。
一般的な目安として、以下のような基準があります。

40%以上 … 借入依存度が低く、経営が安定している
20〜40% … 適切な借入を活用しながら、バランスの取れた経営ができている
20%以下 … 借入依存度が高く、経営が不安定になりやすい

では、美容室の場合、どのくらいが理想なのでしょうか?


美容室の自己資本比率の現実

実は、美容業界の自己資本比率は 20%以下のケースが多い です。

理由としては、
開業時の初期投資(店舗の内装や設備投資)が大きい
広告費や販促費に資金を投じることが多い
キャッシュフローの管理が十分にできていない
利益を出していても、借入返済で自己資本が増えにくい
などが挙げられます。

つまり、多くの美容室オーナーは 「利益が出ていてもお金が残らない」「借入の返済に追われている」 という状況に陥りがちなのです。


美容室経営における理想的な自己資本比率

結論として、美容室経営では「30%以上」を目指すのが理想 です。

なぜなら、自己資本比率が30%以上あれば、金融機関からの信用も得やすく、急な売上減少にも耐えやすい からです。

「じゃあ、どうやって自己資本比率を改善すればいいの?」という疑問が出てくると思います。
次に、自己資本比率を上げるための具体的な方法 を解説します。


自己資本比率を上げるための3つの方法

① 毎年の利益をしっかり蓄積する

自己資本比率を上げるためには、まず 利益をしっかり残すことが重要 です。

税引後の利益をなるべく社内に留保する(無駄な支出を減らす)
一人あたりの生産性を上げ、利益率を高める
過剰な販促費や設備投資を抑える

利益を増やし、それを社内に蓄積することで 自己資本(純資産)が増え、自己資本比率が向上 します。


② 借入金を適切にコントロールする

自己資本比率が低い原因の一つは 借入金が多すぎること です。

無駄な借入をしない(本当に必要な投資か見極める)
金利の低い融資を活用する(リスケジュールの検討)
借入金の返済計画を明確にし、早めに繰上げ返済を検討する

もちろん、美容室経営では融資を活用する場面もありますが、借入金の管理を適切に行うことが重要 です。


③ 売上よりも「利益」を意識する

多くの美容室オーナーが「売上を伸ばすこと」にばかり目を向けがちですが、大事なのは「売上ではなく利益」 です。

売上を上げても、利益が出ていなければ意味がない
利益を増やすことで、自己資本を蓄積できる
利益率を高めることで、無理に売上を増やさなくても経営が安定する

「売上目標を立てるだけでなく、最終的にいくら利益を残せるか?」という視点を持つことが、自己資本比率の向上につながります。


まとめ:自己資本比率30%以上を目指そう!

美容室経営において、自己資本比率は経営の安定性を示す重要な指標 です。

自己資本比率が30%以上あると、借入依存度が低く、安定した経営が可能
美容室業界では20%以下のケースが多く、経営が不安定になりやすい
利益をしっかり蓄積し、借入を適切にコントロールすることが重要

美容室を長く続けていくためには、「売上」だけでなく、「利益」「自己資本比率」といった財務指標をしっかり理解することが大切です。


あなたの美容室経営に寄り添う、伴走型サポートをお届け。美容ディーラーとしての知見に加え、中小企業診断士・MBAの専門性を活かしたコンサルタントが、経営サポートと財務サポートを通して、まさにあなたの経営面での右腕となり、力強く支援します。

【コンサルタント型美容ディーラー】株式会社ADAW 和田浩

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