コラム
2025/06/21

「節税」より「利益」。“お金を残す”美容室経営に必要な考え方とは?

「自己資本比率を高めて、安定した経営を目指しましょう」
前回のブログではそうお伝えしました。でも実際に自己資本比率を高めるには、どうすればいいのか? 今日はそこに踏み込んでみたいと思います。

結論からお伝えすると、「自己資本比率を上げる」ために必要なことは、ただ一つ。

利益を出し続けること です。

自己資本比率とは、会社の総資産(会社が持っている全体の“体力”)のうち、どれだけが自分たちの持ち物か、つまり「借金ではない、自社のお金」で成り立っているか?を示す指標です。
だからこそ、継続して利益を出し、内部留保として会社にお金を残していくことで、自然と自己資本比率は高まっていきます。


目先の「節税」ばかりを考えていませんか?

ここで、多くの美容室オーナーが陥っている“思考の罠”があります。

それが、「節税を最優先にしてしまう」こと。

「税金をなるべく払いたくない」
これは誰もが思うことだと思いますし、気持ちは痛いほどわかります。でもここで考えてほしいのが、

節税=利益を減らす行為 であるという事実。

たとえば、使わなくてもいい設備を「経費にできるから」という理由で購入したり、本来いらない広告を出したり、決算前に駆け込みで無理な支出をしたり……。
こうした節税は確かに税額を減らすことはできますが、同時に利益を減らし、結果的に**“会社のお金”=自己資本を減らしている**ことに他なりません。


自己資本比率を上げる=“会社の体力”をつける

自己資本比率が高い会社は、金融機関からの信用も高まり、融資の相談もしやすくなります。
つまり、**「攻めたいときに資金調達ができる会社」**になるんです。

逆に、節税ばかりを意識して、ずっとギリギリの利益しか残してこなかった会社は、いざ大きな投資をしたいと思っても、「財務体質が弱い」と判断されてしまい、融資を受けにくくなってしまいます。

だからこそ、目の前の節税ではなく、**「利益をしっかり出して、お金を残す」**という経営視点が必要なんです。


美容室オーナーに伝えたい、本当に大切な経営感覚

僕がこれまで多くの美容室オーナーとお話してきた中で、節税にばかり意識が向いてしまい、結果的に会社のお金が減ってしまった……というケースを何度も見てきました。

決算書を見ると、なんとか黒字にはなっていても、B/Sを見たら自己資本比率はどんどん下がっている。
気づいたときには、「借金に頼るしかない経営」になっている、なんてことも。

そうならないために必要なのが、
**「しっかり利益を出して、しっかり税金を払い、その上でお金を残していく」**という健全な経営マインドです。

それが、自己資本比率を高める唯一の王道であり、会社の体力を強くし、美容室経営の未来をつくる力になります。


次回のブログでは、
「節税=悪ではない。お金を減らさずにできる“有効な節税”もある」というお話をしていきます。

たとえば、“減価償却”という仕組みは、実際には現金が出ていかないにも関わらず、帳簿上では経費として扱えるため、節税効果が得られる方法の一つです。
これは、お金を残しながら利益をコントロールできる「賢い経営」に繋がる重要な考え方。

節税はすべて悪なのではなく、「正しい節税」と「間違った節税」を見極めていくことが、経営者にとって大切なスキルです。

次回も、実践的な視点でお届けしていきますね!


あなたの美容室経営に寄り添う、伴走型サポートをお届け。美容ディーラーとしての知見に加え、中小企業診断士・MBAの専門性を活かしたコンサルタントが、経営サポートと財務サポートを通して、まさにあなたの経営面での右腕となり、力強く支援します。

【コンサルタント型美容ディーラー】株式会社ADAW 和田浩

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