〜「難しい財務より、まずは実践から」が正解!〜
前回のブログで、
「利益が出ているのに、お金が残らないのはなぜ?」という疑問に対し、
“キャッシュフロー”の視点が大事ですよ、という話をお伝えしました。
ただ、実際にはキャッシュフロー計算書ってそもそも見たことがないとか、
税理士さんからの月次報告にも出てこない、という声が本当に多いです。
だから今回は、
難しい計算書を読む前に、経営者として明日からできる「キャッシュを増やす3つの実践ポイント」
をテーマにお伝えしていきます!
ポイント①:「利益」を残す意識を持つ
最もシンプルで、最も大切なこと。
それが、とにかく利益をしっかり出して残すことです。
多くのオーナーが、
「税金を払いたくないから節税したい」
「利益を出しすぎると損した気分になる」
という感覚を持っています。
でも、利益が出なければ、自己資本も増えず、
自己資本比率も下がり、財務体質はどんどん弱くなります。
さらに、節税のために無理に経費を使えば、
現金が減り、経営の余力も失っていくという負のスパイラルに。
だからまずは、「利益は経営の体力であり、キャッシュを増やす第一歩」
という意識を持つことが大切です。
ポイント②:「回収・支払いのタイミング」を整える
売上をいくら上げても、
・売掛金が多くて現金が入ってこない
・先に仕入れ代や経費がドンと出ていく
こういう状態だと、帳簿上は黒字でもキャッシュは不足します。
つまり、お金の「タイミングのズレ」が資金繰りを悪化させる原因なんです。
美容室の場合でも、
・店販売上があっても、在庫が大量に残っている
・カード決済が多くて、入金が1ヶ月先
・先払いで材料を買っている
などなど、日常業務の中にタイミングのズレはたくさん潜んでいます。
キャッシュを増やすには、
お金を「早く回収し」「遅く支払う」仕組みを意識することが大事です。
たとえば、仕入れの支払いサイトの見直しや、現金払いの比率アップなども有効です。
ポイント③:「在庫と設備投資は慎重に」
前回のブログでも触れましたが、
在庫や設備は、一度買うとお金が一気に出ていきます。
とくに、「割引されてたから多めに買った」「安い時にまとめて仕入れた」という理由で
在庫を抱え込んでしまうと、キャッシュは一瞬で圧迫されます。
さらに、内装工事やシャンプー台の買い替え、スタッフルームのリフォームなど、
大きな設備投資も、「今、本当に必要か?」「回収の見込みはあるか?」を
しっかり考えてから動くことが必要です。
キャッシュを増やすには、
**“持たない経営” “身軽な経営”**の視点を持つことがとても大切。
たとえば、
・材料の在庫を“シンプル&最小限”に保つ
・セット面や設備を“今あるもので工夫する”
ということだけでも、キャッシュがどんどん改善されていきます。
キャッシュを増やす=選択肢が増える
経営におけるキャッシュとは、
「会社の自由度」であり「未来の選択肢」です。
・新しくメニュー開発したい
・急なスタッフ採用が必要になった
・広告を強化したい
・2店舗目の話が出てきた
そんな時に、キャッシュがあれば“即判断できる”し、
なければ“見送るしかない”のが現実です。
だからこそ、
難しい財務を完璧に理解する前に、まずはこの3つを徹底することが、
経営改善の第一歩になるんです。
次回予告:「社長のお金」と「会社のお金」は違う?
ここまでキャッシュを増やす3つの方法をお伝えしてきましたが、
意外と多いのが、「社長個人のお金」と「会社のお金」が混ざってしまっているケース。
次回は、**「社長のお金」と「会社のお金」の正しい分け方」**をテーマに、
曖昧になりがちなこの問題をわかりやすく整理していきたいと思います!
【コンサルタント型美容ディーラー】株式会社ADAW 和田浩