前回までで、「財務を理解することの重要性」についてお話ししてきました。
✔ 売上目標を立てるときは「いくら現金を残せるか?」を考える
✔ 財務を理解すれば、未来のキャッシュフローが予測できる
✔ 数字をもとに経営判断できると、感覚頼りの経営から脱却できる
このような知識を持つことで、「今の売上で未来は大丈夫なのか?」という不安を解消し、安定した美容室経営ができるようになります。
では、実際に財務を見直し、美容室経営を強くするためにはどうすればいいのか?
今回は、「財務を見直すための具体的なステップ」 についてお話ししていきます!
■ まずは「現在地」を正しく知ることが最優先
未来の計画を立てる前に、まずやるべきことは**「現在地を正しく把握すること」** です。
✔ 今年の売上・利益・キャッシュフローはどのくらい?
✔ 借入金の返済スケジュールはどうなっている?
✔ 固定費や変動費のバランスは適切か?
これらを正確に把握することで、今の美容室経営の強み・弱みが明確になります。
例えば、
「売上は上がっているのに、利益が増えない…」という場合、
✔ 材料費や人件費の比率が高すぎる
✔ 無駄な固定費が多い
✔ キャッシュフローの管理ができていない
といった問題が隠れていることがあります。
現状を数値でしっかり把握することで、改善すべきポイントが見えてくるのです。
■ 【ステップ①】決算書をチェックし、課題を洗い出す
まずは、美容室の決算書(損益計算書・貸借対照表)をチェックしましょう。
✔ どのくらいの売上があり、どのくらいの利益が出ているか?
✔ 固定費と変動費の割合は適切か?
✔ 借入金の残高や返済計画は問題ないか?
この段階では、すべてを完璧に理解する必要はありません。
大切なのは、「なんとなく利益が出ているから大丈夫」ではなく、数字をしっかり把握すること。
もし「決算書を見てもよくわからない…」という場合は、税理士や財務コンサルタントに相談するのも一つの手です。
■ 【ステップ②】キャッシュフローを可視化する
次に、キャッシュフロー(お金の流れ)を見える化する ことが重要です。
✔ 売上が入ってくるタイミング
✔ 経費の支払いタイミング
✔ 借入金の返済スケジュール
これらを整理することで、「いつ・どのくらいの現金が必要なのか?」 が明確になります。
例えば、毎月の固定費が100万円だとしたら…
✔ 月の売上が120万円なら、利益は20万円
✔ でも、借入金の返済が15万円あるなら、実際に手元に残るのは5万円
このように、「売上が上がっても、キャッシュが残らない原因」 を明確にすることが重要です。
■ 【ステップ③】未来の資金計画を立てる
現在地を把握したら、次に未来の資金計画を立てていきます。
✔ 来年の売上目標はいくら?
✔ その売上を達成したとき、いくらの利益が残る?
✔ その利益を確保するために、どのくらいのコストをコントロールすべき?
ここで重要なのは、「売上を上げる=利益が増える」ではない ということ。
利益を増やすためには、
✔ 売上を伸ばすだけでなく、コスト管理も重要
✔ 無理な投資をせず、計画的な支出をする
✔ 借入金の返済スケジュールを見直す
このような視点を持つことで、「売上は上がったのに、なぜかお金が残らない…」 という失敗を防ぐことができます。
■ まとめ
✔ 財務を見直す第一歩は、「現在地」を正しく把握すること
✔ 決算書をチェックし、売上・利益・固定費のバランスを確認する
✔ キャッシュフローを可視化し、未来の資金計画を立てる
美容室経営において、「売上を上げること」だけがゴールではありません。
「お金を残し、安定した経営を続けること」こそが、本当の意味での成功 です。
次回は、「実際に美容室経営に活かせる財務管理のテクニック」について、具体的な事例を交えながら解説していきます!
【コンサルタント型美容ディーラー】株式会社ADAW 和田浩