前回のブログでは、「B/S(貸借対照表)のどこを見ればいいのか?」について解説しましたね。特に「現金・預金」「借入金」「純資産」のチェックが重要だとお伝えしました。
今回は、B/Sの「自己資本」が増える・減る仕組み について、P/L(損益計算書)との関係を交えて解説していきます。
美容室の経営を続けていく上で、自己資本を増やすことはとても重要です。では、自己資本はどうすれば増えていくのか?逆に、なぜ減ってしまうのか?一緒に見ていきましょう!
■ そもそも「自己資本」とは?
B/S(貸借対照表)は、美容室の 「資産」「負債」「純資産」 の3つの要素で構成されています。
このうち「純資産」の中に含まれるのが 「自己資本」 です。
💡 自己資本 = 資産 ー 負債
つまり、お店が本当に持っているお金や財産 のことを指します。
自己資本が増えていると、美容室の経営は安定している証拠です。逆に、自己資本が減っていると、経営が不安定になりやすくなります。
では、自己資本は どのように増えたり減ったりするのか? そのカギを握るのが「P/L(損益計算書)」です!
■ P/L(損益計算書)とB/S(貸借対照表)の関係
美容室の 1年間の経営成績 を表すのが P/L(損益計算書) です。
P/Lには以下のような項目が並んでいます。
✅ 売上(施術料、店販の売上など)
✅ 経費(人件費、家賃、材料費、広告費など)
✅ 利益(売上 ー 経費)
この P/Lの「利益」が増えると、B/Sの自己資本も増える 仕組みになっています。
✔ お店の利益が黒字(プラス)なら、自己資本も増える!
✔ お店の利益が赤字(マイナス)なら、自己資本も減る!
つまり、P/Lの利益がしっかり出ていないと、B/Sの自己資本は増えない ということです。
これが 「B/Sの自己資本を増やすには、P/Lで利益を出さなければならない」 という考え方の基本になります!
■ 自己資本が増える・減る具体的な例
💡 ケース①:利益が出ている美容室の場合
例えば、ある美容室が
・年間売上 3,000万円
・経費 2,500万円
・利益 500万円
を出していたとします。
この500万円の利益は、B/Sの「自己資本」にプラスされます。つまり、お店の財務的な安定度が増す ということですね!
💡 ケース②:赤字経営の美容室の場合
一方で、
・年間売上 2,500万円
・経費 2,800万円
・利益 ▲300万円(赤字)
だった場合、300万円のマイナスが自己資本を減らしてしまいます。
この状態が続くと、自己資本がどんどん減り、最終的に「債務超過(負債が資産を上回る状態)」になってしまう ことも。
だからこそ、P/Lでしっかり利益を出し、B/Sの自己資本を増やしていくことが重要 なのです!
■ 自己資本を増やすために美容室経営者がやるべきこと
自己資本を増やすためには、P/Lの利益をしっかり確保することが不可欠 です。
そのために、以下のような施策が必要になります。
✅ 売上を増やす(単価アップ・集客強化)
・客単価を上げるためのメニュー開発
・リピート率を高める施策(カウンセリング強化、会員制度など)
・SNSや広告を活用した新規集客
✅ 無駄な経費を削減する
・人件費の適正化(スタッフの生産性向上)
・材料費の見直し(無駄な在庫を減らす)
・広告費の最適化(効果があるものに絞る)
✅ 借入金の返済計画を見直す
・無理のない返済計画を立てる
・金利負担が大きい場合は、条件の良い借り換えを検討する
このような 「売上を伸ばしながら、無駄なコストを抑える」 ことが、P/Lの利益を増やし、最終的にB/Sの自己資本を増やすことにつながります!
■ まとめ:P/Lの利益を意識すればB/Sの自己資本は増やせる!
今回のブログでは、B/Sの自己資本が増える・減る仕組み をP/Lとの関係から解説しました。
✔ P/L(損益計算書)の利益が増えれば、B/Sの自己資本も増える!
✔ 赤字が続くと、自己資本が減って経営が不安定になる!
✔ 自己資本を増やすためには、売上アップ&経費削減が必須!
このように、B/SとP/Lは密接に関係している ので、どちらもバランスよく管理することが大切です。
■ 次回予告:「美容室の財務安定化のカギは自己資本比率!」
自己資本が増えることの重要性は理解できたと思いますが、もう一つ大事なのが 「自己資本比率」 です!
次回のブログでは、美容室の財務安定化に必要な「自己資本比率」の考え方と、その改善方法 について詳しく解説していきます!
美容室経営を強く、安定したものにするために、ぜひ次回もチェックしてくださいね‼︎
【コンサルタント型美容ディーラー】株式会社ADAW 和田浩