B/S貸借対照表のどこを見ればいいのか？美容室経営者のための実践ポイント！

前回のブログでは、「B/S貸借対照表の重要性」について解説しました。B/Sは美容室の 「過去の経営成績の積み重ね」 を示し、未来の経営戦略を立てるために欠かせない財務指標であることをお伝えしましたね。

ただ、B/Sを見ても「どこをチェックすればいいのか分からない…」と感じる経営者も多いはず。そこで今回は、 美容室経営者が必ず押さえておくべきB/Sの重要ポイント を分かりやすく解説します！

■ B/S（貸借対照表）には何が書かれているのか？

B/Sは 「資産」「負債」「純資産」 の3つの要素から成り立っています。

✔ 資産 … お店が持っているお金や設備、売掛金など
✔ 負債 … 借入金や未払いの税金、支払い予定の経費など
✔ 純資産 … 資産から負債を引いた、本当にお店に残っているお金

この3つのバランスを見れば、 美容室の財務状況がひと目で分かる のです。

例えば、負債が多すぎる場合、経営が不安定になりやすい ですし、資産の中に現金が少なく、売掛金が多い場合、資金繰りが苦しくなるリスクがある ことが分かります。

では、具体的にどこをチェックすればいいのか、ポイントを解説していきます！

■ 美容室経営者がチェックすべきB/Sの3つのポイント

① 資産の中の「現金・預金」は十分か？

まず、最も大事なのが 「現金・預金」 の項目です。
美容室の経営では、毎月の運転資金（家賃・人件費・材料費など）が必要になります。そのため、手元にどれくらいの現金があるかを把握することが最優先 です。

💡 目安としては、最低でも「3ヶ月分の運転資金」が確保できていることが理想！

もし現金が少ない場合は、
・不要な経費を見直す
・無駄な在庫を減らす
・売掛金を早めに回収する
といった対策を考える必要があります。

② 負債の「借入金」の割合は適正か？

負債の中でも特に重要なのが 「借入金」 です。

✔ 借入金の残高はどれくらいか？
✔ 年間の返済額は、売上や利益に対して無理のない範囲か？
✔ 長期借入金（返済期間が長いもの）と短期借入金（1年以内に返済するもの）のバランスは適正か？

例えば、売上に対して借入金の返済が重すぎると、毎月のキャッシュフロー（資金繰り）が厳しくなる ので要注意です。

また、短期借入金が多すぎると、すぐに返済しなければならないため、急に資金繰りが悪化するリスクがあります。長期借入と短期借入のバランスが適切かどうかもチェックが必要です！

③ 「純資産」の増減をチェック！

純資産とは、「お店に本当に残っているお金」 です。
計算式で表すと、

純資産＝資産ー負債

となります。

純資産が増えている美容室は、しっかり利益を出しながら、資産を積み上げられている健全な経営 ができている証拠です。

逆に、純資産が減っている場合は、
・赤字が続いている
・借入金が増えている
・資産の中身が現金ではなく、売掛金や在庫に偏っている
といった問題がある可能性が高いです。

「純資産が増えているか？」を定期的に確認することで、美容室の経営状況を正しく把握できます！

■ B/Sが分かると、未来の経営戦略が見えてくる！

B/Sをしっかり見れるようになると、「未来に向けて、どんな経営戦略を立てるべきか？」 が明確になります。

✅ 現金が少ないなら、利益をしっかり出して資金を増やす戦略を立てる！
✅ 借入金の負担が重いなら、返済計画を見直す！
✅ 純資産を増やすために、適切な投資とコスト管理を行う！

このように、B/Sを正しく理解し、活用することで、長期的に安定した経営を実現できる のです。

■ 次回予告：「B/Sを活用して未来の経営戦略を考える方法」

今回の記事では、「B/Sのどこを見ればいいのか？」という視点で、
✔ 現金・預金のチェック
✔ 借入金の適正バランスの確認
✔ 純資産の増減のチェック
の3つのポイントを解説しました。

しかし、B/Sを見れるようになっただけでは、まだ不十分です。
大切なのは、この情報をもとに「未来の経営戦略」をどう立てるか？ ということ。

次回のブログでは、B/Sを活用して 「未来の経営戦略を考える方法」 について詳しく解説していきます！

美容室経営をより強く、安定したものにするために、ぜひ次回もチェックしてくださいね！

【コンサルタント型美容ディーラー】株式会社ＡＤＡＷ　和田浩