コラム
2025/04/26

B/S(貸借対照表)を読み解き、強い美容室をつくる!

前回の記事で B/S(貸借対照表)を活用して資金計画を立てることが重要 だとお伝えしました。

しかし、実際にB/Sを見ても、
「何をどう読み解けばいいのかわからない…」
「そもそもB/Sのどこを見ればいいの?」
というオーナーも多いのが実情です。

美容室経営では、売上や利益だけを見ていると、資金繰りが悪化するリスクがあります。
そこで今回は、「B/Sを活用し、安定した経営を実現する方法」 について解説していきます!


■ B/S(貸借対照表)とは?

B/Sとは、「今現在の美容室の財務状況を表す表」 のことです。
カンタンに言えば、「お店の健康診断書」 みたいなものですね。

📌 B/Sは 「資産」「負債」「純資産」 の3つで構成されています。

項目内容具体例
資産(Assets)お店が持っているお金やモノ現金、預金、設備、在庫、売掛金
負債(Liabilities)返済しなければならないお金借入金、未払いの家賃・光熱費、買掛金
純資産(Equity)資産から負債を引いたもの(オーナーの持ち分)利益の蓄積、自己資本

このB/Sを見ることで、
「お店にどれくらいの資産があるのか?」
「どれくらいの負債があるのか?」
「実質的に自由に使えるお金はいくらなのか?」
がひと目でわかるようになります。


■ なぜB/Sを理解することが重要なのか?

美容室の経営で「売上や利益」ばかりを気にするオーナーは多いですが、
本当に重要なのは、最終的に手元にどれくらいの現金(キャッシュ)が残るか? です。

たとえば…

✅ 「売上は前年より伸びたのに、なぜかお金が足りない…」
✅ 「黒字経営なのに、資金繰りが厳しくなることがある…」

このような状況が起こるのは、B/Sの管理ができていないことが原因 です。

具体的には、
✔ 借入が増えすぎて、返済負担が大きくなっている
✔ 設備投資をしたが、回収ペースが遅いため、資金繰りが苦しい
✔ 売掛金(未回収の売上)が増えすぎて、現金が不足している

といった 「お金の動き」 を把握できていないと、経営のバランスが崩れやすくなります。

B/Sをしっかり管理することで、
「お店にとって適正な負債の量」「資産の使い方」 を見極めることができるようになります!


■ B/Sを活用するための3つのポイント

【ポイント①】「自己資本比率」をチェックしよう!

自己資本比率とは、「お店の財務的な安定度を示す指標」 です。
自己資本比率 = 純資産 ÷ 総資産 × 100%

例えば、
自己資本比率が50%以上 → 財務的に安定している
自己資本比率が20%以下 → 負債が多く、資金繰りが不安定

目安として、30%~40%以上が理想 とされています。
自己資本比率が低すぎる場合は、利益を蓄積する・借入の返済計画を見直す などの対策が必要です。


【ポイント②】「流動比率」で資金繰りを確認しよう!

流動比率とは、「短期的に資金繰りが安定しているか?」 を示す指標です。
流動比率 = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100%

流動比率が100%以上 → 短期の資金繰りが安定
流動比率が100%未満 → すぐに資金不足になるリスクあり

もし100%を下回っている場合は、手元資金の確保や支払いサイクルの見直し が必要になります。


【ポイント③】「借入金のバランス」をチェックする!

借入金は美容室の成長に欠かせませんが、借りすぎると資金繰りが悪化 するリスクがあります。

特に、「短期借入金」と「長期借入金」のバランス に注意しましょう。

短期借入金(1年以内に返済するもの) → 多すぎると資金繰りが厳しくなる
長期借入金(1年以上の返済期間) → 設備投資などに活用する

美容室の経営を安定させるためには、長期借入を適切に活用し、短期の資金繰りを圧迫しないことが重要 です。


■ まとめ

B/S(貸借対照表)は、美容室の「財務の健康診断書」
自己資本比率をチェックし、財務の安定性を確認する
流動比率を把握し、短期の資金繰りを管理する
借入金のバランスを考え、無理のない経営を心がける

B/Sを読み解くことで、「美容室経営の本当の健康状態」 を把握することができます。

次回は、「実際にB/Sを活用して、どのように経営判断をすればいいのか?」 について、さらに深掘りしていきます!

「財務に強い美容室オーナー」を目指して、一緒に学んでいきましょう!

【コンサルタント型美容ディーラー】株式会社ADAW 和田浩

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