前回の記事では、「B/S(貸借対照表)を理解し、経営戦略に活かす方法」 を解説しました。
しかし、実際に財務分析をするには、B/Sだけでなく、P/L(損益計算書)とセットで見ることが重要 です。
✔ P/Lは、経営の「結果」を示すもの
✔ B/Sは、その「結果の積み重ね」がどうなっているかを示すもの
B/SとP/Lを組み合わせることで、「売上や利益が本当に健全な状態なのか?」 を判断できるようになります。
今回は、 「B/SとP/Lを活用して、強い財務体質をつくる方法」 を解説していきます!
■ ① P/L(損益計算書)だけで経営を判断するのは危険!
多くの美容室オーナーは、P/L(損益計算書)だけを見て経営判断をしています。
例えば、「今年の売上が〇〇万円で、利益が〇〇万円だった!」 という話はよく聞きますよね?
しかし、P/Lだけで判断すると、 「本当にお店の経営状態が健全なのか?」 が分かりません。
✔ 売上が上がっているのに、お金が残らないのはなぜ?
✔ 利益が出ているのに、資金繰りが苦しいのはなぜ?
✔ 経費を削減すれば利益が増えるのか?
この疑問を解決するには、 「B/SとP/Lをセットで見る」 ことが重要なのです。
■ ② B/SとP/Lを組み合わせると、何が分かるのか?
B/SとP/Lを組み合わせて分析すると、次のような 「本当の経営状態」 が見えてきます。
✅ 1. 利益が増えているのに、現金が増えない理由が分かる!
P/Lでは利益が増えているのに、B/Sでは現金が増えていない…。
この場合、
✔ 売掛金の回収が遅れている(未回収の売上が増えている)
✔ 借入金の返済で現金が減っている
✔ 設備投資や無駄な経費でキャッシュアウトが多い
といった問題が考えられます。
つまり、「売上や利益が増えても、キャッシュフローを改善しなければ意味がない」 ということです。
✅ 2. 売上アップの戦略が「資産」として積み上がっているか?
美容室経営では、単に売上を伸ばすだけでなく、
✔ 店舗の設備(資産)を増やしているか?
✔ スタッフの教育投資をしているか?
✔ ブランド価値を高め、安定した集客ができる仕組みを作っているか?
が重要になります。
B/Sを見れば、「今の売上アップが将来の資産になっているか?」 が分かるのです。
✅ 3. 負債のバランスを考えながら、利益を増やせているか?
「売上は伸びているのに、借入金もどんどん増えている…」 という場合、
✔ 無理な投資をしていないか?
✔ 利益率が低く、売上を上げてもキャッシュが残らない状態ではないか?
をチェックする必要があります。
利益をしっかり確保しながら、健全な資金繰りを意識することが大切です。
■ ③ B/S × P/L を活用した「美容室の財務分析」実践方法
では、実際にB/SとP/Lを活用した財務分析の流れを紹介します。
① P/Lで「今の経営状態」を確認する
まず、P/L(損益計算書)を見て、
✔ 売上は計画通りか?
✔ 経費は適切に管理できているか?
✔ 利益率は十分か?
を確認します。
② B/Sで「過去の積み重ねの結果」をチェックする
次に、B/S(貸借対照表)を見て、
✔ 現金は十分に残っているか?
✔ 負債のバランスは適切か?
✔ 自己資本比率は健全か?
をチェックします。
③ P/LとB/Sを組み合わせて「改善ポイント」を見つける
例えば、
❌ 利益が出ているのに、キャッシュが増えていないなら?
→「売掛金の回収を早める」「借入金の返済計画を見直す」
❌ 売上が伸びても、負債が増えているなら?
→「利益率を上げる」「固定費を削減する」
というように、具体的な改善策を考えます。
■ まとめ
✔ P/L(損益計算書)だけでなく、B/S(貸借対照表)とセットで経営判断をする!
✔ 売上・利益だけでなく、キャッシュの流れをチェックする!
✔ 借入金や負債のバランスを見ながら、利益率を意識する!
✔ 財務分析を活用して、戦略的な経営を行う!
P/LとB/Sを正しく分析することで、
✅ 単なる「売上アップ」ではなく、「お金が残る経営」ができる!
✅ 長期的な視点で、お店の財務体質を強くできる!
✅ 無駄な支出を減らし、安定した経営を続けられる!
次回は、「財務分析を基にした、具体的な経営改善の進め方」 について解説していきます!
【コンサルタント型美容ディーラー】株式会社ADAW 和田浩